こんにちは、渋谷駅近の会計事務所で所長を務めている植村拓真です。
今回は、働きながら法人税法に短期合格したい方向けに、勉強法について合格者である弊所スタッフIさんの体験談とあわせて紹介します。
税理士
(30代前半・東京都在住)
他の会計事務所で働きながら、
簿財消相法に合格して税理士資格を取得
資格取得後、弊所に転職
本記事では、
- 法人税法の概要
- 合格率や難易度
- 勉強時間の目安
- 働きながら短期合格するコツ
上記の内容について解説するので、働きながら少しでも早く法人税法に合格したい方は参考にしてみてください。
また、植村会計事務所では、働きながら税理士資格の取得を目指すうえで最適な環境を整えております。
上記のように考えている方は、お気軽に弊所の求人にご応募ください。
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法人税法の概要と難易度や勉強時間の目安
まずは、法人税法の概要や勉強時間の目安について、簡単に解説しておきます。
本項目で紹介する勉強時間はあくまで目安です。受験勉強に専念しても合格できない人はいますし、働きながら合格できる人もいます。
受験勉強の目標を設定するうえで参考にしてみてください。
試験科目の概要
そもそも法人税法とは、法人の所得に課される税金に関するルールを定めた法律のことです。
法人に公平に税金を課すために、
- 納税義務者
- 課税所得等の範囲
- 納税地
- 税額の計算方法
- 申告
- 納付および還付の手続き
- 連結納税制度
など
並びにその納税義務を適正に果たすための事項が定められています。
法人税法で学ぶ知識は、会計事務所や税理士法人で働く際に必要なケースが多いです。
特に、クライアントに法人が多い事務所ではより必要とされるので、ご自身のキャリアプランに合わせて法人税法に合格しておきましょう。
そんな税理士試験における法人税法は、所得税法と同じく選択必須科目です。
税理士資格を取得するためには、所得税法か法人税法のどちらかに合格する必要があります。
法人税法の試験は、理論問題と計算問題ともに配点は50点で合計100点満点の試験です。
理論問題では、法人税法や租税特別措置法の規定について説明する問題はもちろん、具体的な事例を読んで解答する問題が出題されます。
計算問題では、具体的な事例を読んだうえで、法人税の納税額などを計算する問題が出題されます。
法人税法の出題ポイントについては、国税庁のホームページで確認しておきましょう。
法人税法と所得税法のどちらを受験すべきかで、悩んでいる方がいらっしゃると思います。
繰り返しになりますが、法人税法と所得税法は選択必須科目ですので、税理士資格を取得するためには最低でもどちらかの科目に合格しなければなりません。
そして、法人税法で学ぶ知識は、クライアントに法人が多い会計事務所や税理士法人で必要になるケースが多いです。
今後、クライアントに法人が多い会計事務所や税理士法人で働きたい方は、法人税法に合格しておくと就職時に有利です。
科目名 | 受験者数(令和4年度) |
簿記論 | 12,888人 |
財務諸表論 | 10,118人 |
所得税法 | 1,294人 |
法人税法 | 3,454人 |
相続税法 | 2,370人 |
消費税法 | 6,488人 |
酒税法 | 454人 |
国税徴収法 | 1,709人 |
住民税 | 476人 |
事業税 | 269人 |
固定資産税 | 910人 |
合格率・難易度
法人税法の直近5年の合格率は以下のとおりです。
平成30年度から令和2年度にかけて上昇しましたが、令和3年度からは約12%で落ち着いています。
年度 | 合格率 |
平成30年度 | 11.6% |
令和元年度 | 14.7% |
令和2年度 | 16.1% |
令和3年度 | 12.8% |
令和4年度 | 12.3% |
令和4年度の法人税法の合格率は、同じく受験者数が多い消費税法と同様に低いです。
科目名 | 令和4年度の合格率 |
簿記論 | 23.0% |
財務諸表論 | 14.8% |
所得税法 | 14.1% |
法人税法 | 12.3% |
相続税法 | 14.2% |
消費税法 | 11.4% |
酒税法 | 13.2% |
国税徴収法 | 13.8% |
住民税 | 17.2% |
事業税 | 14.1% |
固定資産税 | 18.4% |
そんな法人税法の難易度ですが、以下の理由から税理士試験の中でも高いほうだと言えます。
- 学習量が多い
- 税理士試験が実質的に相対評価試験である
- 簿財だけでなく他の税法科目にも合格している受験生が多い
- 複数回受験している経験者が多い
働きながら法人税法の合格を目指すなら、効率良く勉強して上位12%程度に入らなければなりません。
勉強時間の目安
働きながら法人税法の合格までにかかる勉強時間の目安は2,500時間です。
資格の学校TACにて600時間であると公表されていますが、理論暗記にかかる時間は含まれていません。
法人税法は税理士試験の中でも、学習量の多さから合格までにより多くの時間がかかる科目です。
相続税法の勉強法に関する記事にて、相続税法は試験対策で時間がかかると解説しましたが、法人税法は相続税法の倍以上かかると感じました。
法人税法の勉強法|働きながら短期合格するコツ
それでは、法人税法の勉強法について、働きながら短期合格するコツとあわせて解説します。
働きながら少しでも早く合格したい方は、参考にしてみてください。
税理士
(30代前半・東京都在住)
他の会計事務所で働きながら、
簿財消相法に合格して税理士資格を取得
資格取得後、弊所に転職
規則正しい生活と勉強に集中できる環境を準備
働きながら法人税法に合格するには、規則正しい生活と勉強に集中できる環境が必要です。
法人税法は学習量が多いため、時間がない働いている受験生の方が効率良く合格するには、心身ともに勉強に集中できる状態を維持しなければなりません。
- スケジュールは睡眠時間を優先して組む
- 勉強場所は作業音がする図書館などを選ぶ
- 勤務日は自宅で作業音を動画で流して勉強する
まずは、十分な睡眠時間を確保します。十分な睡眠時間といっても人によって異なると思いますので、
- 日中に眠たくならない
- 暗記力や計算力が低下しない
上記の2点を意識して時間を設定しましょう。
そして、勉強する環境はなるべく試験当日に近づけたかったので、勤務日は自宅で作業音を流しながら、休日は作業音がする図書館で勉強していました。
作業音として使えるYouTubeの動画を置いておきます。
勉強は無音の環境ですべきだと思われがちですが、試験当日は
- 問題用紙をバッサバッサめくったり
- 電卓をダンダン!と強く叩いたり
など
上記のような受験生がいるため無音ではありません。
無音に慣れてしまうと、少しの物音でも気が散るようになる恐れがあります。
ですので、普段から作業音を流しながら勉強して、試験当日に集中できるようにメンタルを整えておきましょう。
ちなみに、大雑把ですがスケジュールを組む手順は以下のとおりです。
↓
②睡眠時間や食事、入浴時間などを埋める
↓
③空き時間に勉強を埋める
繰り返しになりますが、働きながら法人税法の科目合格を目指すなら勉強に回せる時間が限られているので、集中して効率良く勉強に取り組む必要があります。
まずは、心身ともに勉強に集中できる状態を作って、勉強の効率を上げましょう。
計算問題の対策
基礎期に触れる計算問題の難易度は高くありませんが、苦手な項目が出てきます。
いつまでも苦手な項目を残していると応用期に手がつけられなくなるので、基礎期の期間内にものにすることを意識しておきましょう。
基礎期に学んだ内容は応用期以降も使えるので、まずはきっちりと基礎固めしておいてください。
個別問題を満遍なく勉強したら、総合問題を解き始めましょう。
総合問題は個別問題のまとめですので、解けば個別問題の復習になります。
解けなかったり理解の浅い論点を見つけたら、個別論点のテキストで勉強し直しましょう。
弱点を総合問題で見つけたら、テキスト→個別問題で勉強し直して克服してください。
問題を見て式が出てくるレベルになれば、あとは計算速度を意識して試験時間内に総合問題を解けるようにしましょう。
理論問題の対策
繰り返しになりますが、法人税法は学習範囲が多い科目です。
働きながら短期間で理論問題の対策を終わらせるのは無理なので、まずはAとBランクに注力しましょう。
働きながら法人税法の合格を目指す方は、受験に専念している方よりも勉強に回せる時間が少ないです。
ですので、中途半端にCランクに手を出すくらいなら、思い切って先にAとBランクに集中して基礎を固めるほうが効率が良いです。
仕事と勉強の両立は職場選びが重要
働きながら法人税法の合格を目指す方は、税理士試験に理解のある職場に就職しましょう。
重要なことなので他の記事でも記載していますが、就職先が税理士試験に理解がないと、
- 試験を受けさせてもらえない
- 試験よりも業務を優先させられる
- 試験前に有給を取得させてくれない
上記のような事態に陥りかねないからです。
税理士試験に理解のない職場に就職してしまうと、法人税法に合格できないどころか、一生税理士資格を取得できない恐れがあります。
ただでさえ、法人税法は勉強時間がかかる科目なので、これから働きながら合格を目指す予定の方は、税理士試験に理解のある職場に就職しましょう。
税理士試験に理解がある職場を探す際は、
- 税理士資格の取得支援を行なっている
- 有給の試験前休暇の取得を認めてくれる
上記の2点を求人票で確認してみてください。
特に、試験前にまとまった有給を取得できるかどうかは重要です。
試験直前まで出勤しなければならない職場は、とても税理士試験に理解があるとは言えません。
これから就職・転職先を探す予定の方は、税理士試験の取得支援を行なっており、有給の試験前休暇を取得できる職場を探しましょう。