こんにちは、渋谷駅近の会計事務所で所長を務めている植村拓真です。
本記事を読んでいる方は、上記のように考えているのではないでしょうか。
たしかに、数ある会計事務所の中には、大手や個人に関係なくブラックな事務所もあります。
実際に、弊所の求人に応募してくださった何人かの方に転職理由を聞いてみたところ、
と答えている方がいました。
その方は税理士試験の合格を目指していましたが、とても勉強どころではなかったそうです。
そこで本記事では、ホワイトな会計事務所に就職したい方向けに、ブラックな事務所を事前に回避するコツについて解説します。
また、弊所では働きながら税理士資格の取得を目指す方向けに、資格取得支援を行なっております。
東京の会計事務所で実務経験を積みながら税理士試験の合格を目指したい方は、以下のページで詳細をご確認ください。
\完全リモート可能の職場を探したい方もこちら/
【未経験・新卒も大歓迎】
資格取得支援がある会計事務所の求人を確認する
現在は正規職員に恵まれておりますので、若干名だけ募集しています
人員が揃い次第募集を停止し、次の募集時期については未定となります
「ホワイトな会計事務所→忙しくない」ではない
そう考えている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
結論から述べますと、どんな会計事務所にも繁忙期がありますし、大手事務所でも激務なケースがあります。
本項目では、上記の2点について詳しく解説します。
就職・転職活動後に後悔しないためにも、まずは本項目の内容を確認しておきましょう。
どんな事務所にも繁忙期がある
どんな会計事務所にも繁忙期がある大きな理由は、特定の期間に業務が集中するからです。
たとえば、確定申告を代行している会計事務所では、2月中旬から申告期限の3月中旬まで申告作業が集中して繁忙期となります。
さらに、決算期が12月の法人が顧問先にいる場合、申告期限の2月末まで業務が集中します。
他にも、
- 11月~12月:年末調整
- 1月:償却資産申告
- 4月~5月:3月が決算期の法人の決算業務
上記の業務があるため、多くの会計事務所では年末から5月末にかけて繁忙期です。
個人事業主や法人のクライアントを抱えている会計事務所では、上記のような期限が決まっている業務を行なっているため、特定の時期に繁忙期を迎えます。
一方、クライアントが少ない会計事務所では、確定申告の期限が過ぎるとあまり忙しくありません。
と考える方がいるかもしれませんが、仕事が楽な分デメリットもあります。
業務量が少なければ給料は低いですし、事務所が維持できなくなって失業する恐れもあります。
とにかく、繁忙期がない会計事務所=ホワイトではないと覚えておきましょう。
大手事務所でも激務なケースがある
上記のように考えて、大手会計事務所への就職を検討している方がいるのではないでしょうか。
結論から述べますと、大手会計事務所でも激務で残業しなければならないケースがあります。
会計事務所では、スタッフを増やすと中間管理職を置く必要があります。
スタッフの人数が10人、20人と増えると、所長がスタッフを管理しきれなくなるからです。そして、いくつかの部署を設けて業務を分担します。
スタッフ全員で一つの業務に取り組むわけではないため、大手事務所だから個人事業主よりも楽とは限りません。
さらに、大手会計事務所を維持するためには多くのコストが必要になるため、単価の高い難しい案件を受ける傾向があります。
業界未経験の新人スタッフであれば、業務を進める中でわからないことが出てくるケースもあります。
しかし、調べる時間は業務時間に含めない会計事務所が多いため、定時に退勤できない日もあるでしょう。
「大手会計事務所はスタッフが多いのでホワイトだろう」と判断して、就職先を決めないようにしましょう。
\完全リモート可能の職場を探したい方もこちら/
【未経験・新卒も大歓迎】
資格取得支援がある会計事務所の求人を確認する
【就職前にわかる】ブラックな会計事務所の特徴と傾向
会計事務所がブラックかどうか判断するのは、実際に就職してみなければ難しいです。
職場の雰囲気や具体的な残業時間や休日出勤の日数なんて、求人を見たり所長に質問したりしただけではわかりません。
そこで本項目では、ブラックな会計事務所の特徴と傾向について解説します。
本項目の内容を確認しておけば、就職を検討している職場がブラックな事務所かどうかを事前に判断できるようになります。
それでは順番に見ていきましょう。
①夜遅くに事務所の電気がついている
マトモな会計事務所であれば、繁忙期は忙しいですが閑散期は忙しくありません。
しかし、ブラックな会計事務所では、繁忙期と閑散期の境目がありません。
所長が事務所のキャパシティを考慮せずに仕事を受けるため、
- 毎日スタッフが大量の業務に追われる
- 深夜までの残業が当たり前
- 休日出勤させられる日もある
就職すると上記のような環境で働かなければならない恐れがあります。
あなたが税理士試験の受験生である場合、とても受験勉強どころではありません。
会計事務所がブラックかどうかは、閑散期の夜遅くに建物の電気がついているかで判断できます。
閑散期にもかかわらず連日夜遅くに建物の電気がついていれば、ブラックの可能性が高いです。
②所長の性格がブラック
ブラックな会計事務所の所長は、性格がブラックな傾向があります。所長の性格は会計事務所の経営方針に大きな影響を与えるからです。
多くの会計事務所では、所長と同等かそれ以上の発言権を持っているスタッフはいません。
そのため、所長が稼ぎだけを重視するブラックな思考の持ち主である場合、スタッフは大量の業務を押し付けられて毎日残業しなければなりません。
所長の性格がブラックかどうかは、採用面接時に確認できます。
圧迫面接を実施したり、あなたやスタッフを見下すような言動をとったりしたらブラックの可能性があります。
就職面接時に所長の態度が悪い場合は、好条件でも就職しないようにしましょう。
③未経験者の年収が300万円を切るのに初日から激務
ブラックな会計事務所の特徴として、未経験者の年収を300万円未満に設定しているのに初日から激務な点があげられます。
年収300万円はあくまで基準ですが、そのうえで未経験で入所していきなり一人前の業務を任されるようであれば、ブラックな会計事務所である可能性が高いです。
もちろん、会計事務所によって業務量や内容が異なるため、未経験者の年収が300万円未満だからといって必ずブラックとは限りません。
ですので、会計事務所を選ぶ際は年収に加えて、業務量や内容、未経験者のサポートを行なっているかも確認しておきましょう。
また、未経験者でも科目合格数や保有資格に応じて年収が上がるケースもあります。
ですので、会計事務所を選ぶ際は、科目合格者や保有資格を考慮したうえでの年収がいくらになるかにも注目しておきましょう。
たとえば、弊所では日商簿記2級を保有している未経験者の年収を300万円未満に設定してはいますが、業務内容は軽めの補助業務から始めていただいておりますし、サポートする体制もしっかり整えています。
さらに、
- 入所時の経験や能力、保有資格
- 入所後の実績や実力、資格取得
上記のように明確な昇給基準を設けていますので、曖昧な昇給基準やいつまでも昇給しない事態に悩まされる心配はありません。
\完全リモート可能の職場を探したい方もこちら/
【未経験・新卒も大歓迎】
資格取得支援がある会計事務所の求人を確認する
④所長の年齢が高くてスタッフの平均年齢が若い
所長の年齢が高くてスタッフの平均年齢が若いのも、ブラックな会計事務所の特徴といえます。
たとえば、所長が60代でスタッフの平均年齢が20~30代の場合、40~50代の中堅スタッフが事務所の経営方針に付いていけず辞職している可能性があります。
就職したい会計事務所を見つけたら、事務所見学か就職面接時に事務所を構成しているスタッフについて質問しましょう。
⑤薄利多売で利益率が低い
税理士報酬が低い薄利多売な会計事務所では、多くの仕事を受けないと利益を残せません。
そのため、所長は多くの仕事を受けて事務所に利益を残そうと考えます。
すると、スタッフの業務量が多くなり、残業や休日出勤が当たり前になります。
会計事務所の税理士報酬はホームページで確認できます。他の項目と合わせたうえで、会計事務所がブラックかどうかを判断してみてください。
ホワイトな会計事務所かどうかを確認する方法
最後に、会計事務所がホワイトかどうかを確認する方法について解説します。
就職したい事務所を見つけたら、本項目で解説している内容を面接で質問してみましょう。
本項目で紹介する内容は以下のとおりです。
- 未経験者を採用しているかを質問する
- 残業時間や休日出勤について質問する
- 税理士試験の前に有給を取れるかを確認する
- 税理士試験の合格を目指すスタッフのスケジュールを確認する
①未経験者を採用しているかを質問する
事務所見学か就職面接時に、未経験者を採用しているかを質問しましょう。
未経験者を採用する会計事務所には、新人スタッフの教育体制に自信があり、スタッフを大切にしている傾向があります。
すべての会計事務所がそうとは言いませんが、未経験者を採用しない事務所は教育体制が整っていないケースがあります。
ですので、業界経験が浅い方は、なるべく未経験者を採用している会計事務所を選ぶようにしましょう。
②残業時間や休日出勤について質問する
残業時間や休日出勤についても質問しておきましょう。
だいたいの会計事務所の求人では、残業について「繁忙期はあり」程度しか記載されていません。
ですので、事務所見学か就職面接時に、具体的な残業時間や休日出勤の日数について質問してみてください。
③税理士試験の前に有給を取れるかを確認する
税理士試験の受験生の方は、試験前休暇を有給を取得できるかを確認しておきましょう。
税理士資格の取得を支援している会計事務所では、試験前にまとめて有給を取得できます。
利益優先でスタッフに残業や休日出勤させるブラックな会計事務所では、試験直前だからといってまとめて有給を取得させてもらえません。
税理士試験よりも仕事を優先させられます。
ですので、税理士試験の受験生が会計事務所を選ぶ際は、
- 試験前休暇を有給を取得できるか
- 試験前に何日まとめて有給を取得できるか
事務所見学か就職面接時に上記の内容を確認しておきましょう。
④税理士試験の合格を目指すスタッフのスケジュールを確認する
働きながら税理士試験の合格を目指す方は、実際に在籍している受験生のスケジュールについて質問してみましょう。
実際に働いているスタッフさんが、普段から勉強する時間を確保できているのかも重要だからです。
もちろん、スタッフさんが税理士試験に合格した実績があるかも重要です。
ただ、人によって税理士試験の合格までにかかる時間が異なるため、スタッフさんが税理士試験に合格した実績があるからといって、ご自身も同じ時間をかけて合格できるとは限りません。
会計事務所の求人に応募する際は、税理士試験の合格を目指すスタッフさんのスケジュールを確認して、ご自身ならどの程度時間を確保できて、その時間で合格を目指せるのかを判断しましょう。
すべての会計事務所がやばいわけではない
今回は、ホワイトな会計事務所に就職したい方向けに、ブラックな事務所を事前に回避するコツについて解説しました。
会計事務所は
上記のような印象を持たれがちですが、すべての事務所がやばいわけではありません。
とはいえ、完全にホワイトな会計事務所はなかなか見つかりません。
ですので、本記事で解説した内容を参考にしながら、ブラックな事務所への就職を回避しつつ、よりスタッフを大事にしてくれる会計事務所を見つけて求人に応募してみましょう。