こんにちは、現役公認会計士の植村拓真(うえむら たくま)です。
世間では、公認会計士に対してごく一部から
上記のような意見が挙がっています。
あなたが公認会計士試験の勉強を始めようと考えていたり、すでに始めていたりする場合、上記のような意見を言われるとすごくモチベーションが下がりますよね。
少なくとも、良い気はしないでしょう。余計なお世話ですよね。実務をよく知らない人の言うことは放っておくに限ります。
とはいえ、自分が将来就く職業が、この先どうなっていくのかは気になりますよね。というわけで、公認会計士の将来性や今後が気になるあなたに、現役の公認会計士からアドバイスをさせていただきます。
【東京都内】税理士資格の取得支援がある会計事務所の求人はこちら
公認会計士試験に合格したら将来どうなるか
公認会計士試験は、やはり世間的に見てもかなり難しい試験ですので、合格しているのは一種のステータスになります。超難関国家試験ですからね。
合格しているだけで、頭良い人、賢い人扱いをしてもらえます。自分の中でも自信がつきます。
- 自分はやれるんだ
- これだけ頑張れるんだ
- あれだけ難しいことを成し遂げたんだ
上記のような健全な自信につながるのです。
さらに、一発合格や大学在学中に合格できたとなると、やはり周りの見る目が変わります。天才とか、超優秀とか言ってもらえるようになります。
「そんな大した人間じゃないですよ」と少し照れるわけですが、悪い気はしません。また、修了考査に受かって晴れて正式に公認会計士を名乗れるようになると、これまた周りの目が変わります。
もちろん、一緒の職場で働いている人も一人前扱いしてくれるようになるのですが、何よりも外部の目が変わりますね。
監査の現場であれば、クライアント企業の対応も変わります。
新人の頃は雑に対応されたり、舐められたりしていても、公認会計士を名乗ると丁寧に対応してくれます。
その分、こちらもクライアントの相談などに、しっかりと対応する必要がありますが。
ベンチャーで働いている公認会計士も、公認会計士を名乗れるようになったら、若くても銀行の職員に舐められないようになったそうです。
何でも、今まで失礼な対応をしてきたのに、名刺に公認会計士と書いてあるのを発見しただけで態度が豹変したらしいです。
半ば趣味の域に近い意味不明な資格、使えない資格が溢れかえっている日本で、公認会計士はまだまだ立派な資格だといえますね。
公認会計士の将来性について
冒頭でお話したとおり、最近は公認会計士だけでなく、税理士や弁護士なども含めて「資格は終わった」とか「資格を取っても稼げない」とか世間で言われています。
もちろん、そのような風潮もある程度は正しくて、資格を取るだけでなく自分自身を磨いていかなければ、これからの日本社会で生き抜いていくのが難しいのは事実です。
しかし、見ず知らずの人に手っ取り早く自分に対する信頼感を与えられるのは、カオスな現代社会では大きなメリットになります。変な人が増えましたからね。
資格や学歴は、初対面の人に「この人はきちんとした人だ」という第一印象を与えられる、いわば自分の信頼性を証明する役割も果たしてくれます。
初対面の人に自己紹介するとき、良い学歴や資格を持っているだけで良い印象を与えられるのは、大きな強みです。
現代の日本では、まだまだ資格信仰が強いです。有資格者であるだけで、就職や転職でもかなり有利に立てます。
【東京都内】税理士資格の取得支援がある会計事務所の求人はこちら
公認会計士に将来性がないのではなく世界標準に近づいただけ
一昔前までは、資格を取ったら一生安泰といわれていました。公認会計士の業界も、昔は今よりも更に良い環境だったそうです。
内部統制監査とか四半期決算とかがないため、休暇を取り放題でした。昔ほど規制が厳しくなかったため、仕事は今より全然忙しくありませんでした。
クライアントから高級ディナーに招待されるケースあったとか。
ぬくぬくとした環境でまったり仕事ができていたみたいです。もちろん、その中でもきちんと真面目に仕事をしている公認会計士が大半だったと思います。
要は、古き良き時代ってやつです。今の時代を生きる公認会計士としては羨ましい限りですね。
ただ、これは昔が良すぎただけの話です。海外だと資格を取っても、就職後は実力勝負ですからね。資格を取っても食えない人がいるのは普通です。
そう考えると、世間の資格は無駄という風潮にも冷静に対応できます。単純に資格業が世界標準に近づいていっているだけの話ですね。別に、世間のようにそこまで騒ぎ立てることではありません。
要は、公認会計士に将来性がないなのではなく、就職後に能力を磨かない人間に将来性がないのです。
今も昔も、資格が社会に必要とされているから、その資格が存在しているだけだということです。
不変の真理として、何かに依存している人間に本当の幸せなんて掴めるはずがないというものがあります。
何かに依存している状態の甘い人間に、大きなことなんて成せるわけがないです。
資格が終わったと主張している人には、そういう視点が欠けています。要するに、資格に依存しているんです。
資格に頼りきって自分の人生を委ね、人生を良くしてもらおうと考えているのでしょう。
公認会計士になれば人生楽勝とでも思っているのでしょうね。
そして、自分が無能なのを棚に上げて資格を取っても、以前ほどの恩恵を受けられないと分かると、今度は「資格なんて取っても報われない」、「公認会計士に将来性はない」だのと、大きな声で騒ぎ立てるんです。
公認会計士の将来性の有無なんて誰にも断言できない|今を大事にする
公認会計士の資格を取得すれば、ただの凡人であってもまだまだ人並み以上の生活は保証されています。
大手監査法人で働いた経験がある立場から言わせてもらうと、これは間違いないです。もちろん、資格だけでぶっとんだ金持ちになるのは難しいですが。
- 新卒の頃から年収500万~600万円も貰える
- 遅刻しても誰にも文句を言われない
- 厳しいノルマはない
- クライアントから先生と言われる
- 会社の監査役と一緒の車で話ができる
- 閑散期(6月など)は2週間も休める
上記のような職場なんて、現在の日本にはそうそうありません。もちろん、将来はどうなるかわかりませんが。
ただ、それは公認会計士に限らず、弁護士、医者などの他の資格も、普通のサラリーマンも、将来どうなるか分からないのと同じです。
どんな業界もどんな仕事も将来どうなるかなんて分かりません。
将来なんて気にするだけ時間の無駄です。我々は今を生きているのだから、今をしっかり生きれば良いです。
今の自分の気持ち、内なる心に従って価値観を守り、信念を持って、正しいと思うことをやれば、将来なんて気になりません。
そして、今の自分の心に従って、素直に自分がやりたいことをやっていれば、どんなことが起こっても後悔なんてしないはずじゃないですか。
勉強する前から公認会計士の将来性を気にしている人全員に、お伝えしておきます。
将来を気にする時間があるなら、まず目の前のことに集中してください!
公認会計士の将来性なんて気にしなくても、常に今を全力で生きているのなら、業界で生きていけるはずです。
自分が今、公認会計士になると強い気持ちを持って決断したのなら、目の前の勉強を一生懸命頑張ったらいいじゃないですか。
周りがなんと言おうと、世間が騒ぎ立てようと、気にする必要はありません。あなたは自分の今の意思、信念、価値観だけを気にすれば良いのです。
なんとなく公認会計士を目指してみるのも、全然アリだと思います。
やりたいことがない人は、経験値が足りていない可能性が高いです。いろいろな世界を経験して、経験値を上げてから本当にやりたいことを探せば良いと思います。
公認会計士になることは、健全な経験を積むことに必ず繋がると保証します。
もちろん、楽しいことばかりではありません。ムカつくこともあるし、しんどいこともあるし、理不尽なこともたくさんあります。辞めたいと思う人もいるかもしれません。
とはいえ、一人のプロフェッショナルとして、
- さまざまな人と仕事ができて
- 多くの問題に頭を悩ませて
- 周りの人と協力し合って
- 大きな課題を解決して
- 仲間と喜びを分かち合える
上記のような経験を積ませてもらえる面もあるので、私は公認会計士の資格を取得して良かったと心底思います。
ですので、特にやりたいことがないけど、なんとなく公認会計士を目指す人も、全然良いと思うのです。ブラック企業で働くよりも、よっぽど良いですよ。
もちろん、将来的に監査法人や組織の中で働くことに満足できなくなったら、もっと別のことをして良いと思います。
それこそ、
- 独立開業
- 海外放浪
- ニート
- どこかの国へ留学
- 他の資格を目指す
- 起業
- 税理士業
上記のように、何をしたって自由です。公認会計士だからといって、資格に縛られる必要はありません。