こんにちは、渋谷駅近の会計事務所で所長を務めている植村拓真です。
今回は、消費税法の勉強法について働きながら短期合格したい方向けに、合格者である弊所スタッフIさんの体験談とあわせて紹介します。
税理士
（30代前半・東京都在住）
他の会計事務所で働きながら、
簿財合格の状態から消費税法に一度の受験で合格
資格取得後、弊所に転職
本記事では、
- 消費税法の概要
- 合格率や難易度
- 勉強時間の目安
- 働きながら短期合格するコツ
- 独学かつ働きながら合格するのは困難
上記の内容について解説するので、働きながら少しでも早く消費税法に合格したい方は参考にしてみてください。
また、植村会計事務所では、働きながら税理士資格の取得を目指すうえで最適な環境を整えております。
上記のように考えている方は、お気軽に弊所の求人にご応募ください。
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消費税法の概要と難易度や勉強時間の目安
まずは、消費税法の概要から勉強時間の目安について、簡単に解説しておきます。
本項目で紹介する勉強時間はあくまで目安です。受験勉強に専念しても合格できない人はいますし、働きながら合格できる人もいます。
受験勉強の目標を設定するうえで参考にしてみてください。
試験科目の概要
そもそも消費税法とは、消費税に関連した以下の事項について定めた法律のことです。
- 課税対象の取引
- 負担者と納税義務者
- 税額の計算方法
- 申告と納付
など
そして、税理士試験における消費税法では、消費税法の各種規定を理解しているかが問われます。
実務に直結する試験科目で人気があるため、毎年受験者数が多いです。
| 選択科目 | 受験者数（令和4年度） |
| 相続税法 | 2,370人 |
| 消費税法 | 6,488人 |
| 酒税法 | 454人 |
| 国税徴収法 | 1,709人 |
| 住民税 | 476人 |
| 事業税 | 269人 |
| 固定資産税 | 910人 |
そんな消費税法の試験概要をまとめておきます。
- 選択科目（受験者は酒税法を選択できない）
- 試験時間は120分
- 配点理論50点、計算50点（合計100点）
理論問題では、主に以下のような内容が出題されます。
- 消費税法の規定
- 消費税に関する取引
- 消費税の課税率
- 納付の時期や方法
- 軽減税率の具体例
- 改正論点
そして、計算問題で主に出題される内容は、以下のとおりです。
- 消費税の計算
- 軽減税率の計算
- 転嫁禁止措置に基づく税額の計算
- 免税措置に基づく税額の計算
消費税法の試験問題は、実務に即した内容が出題されやすい傾向があります。
そして、消費税法は改正される機会が多い科目です。ですので、以下を意識して勉強を進めてみましょう。
- テキストなどで基礎を固める
- 最新情報をチェックする
- 不正な申告や判定基準について確認する
- 過去問で時間配分や解答速度を調整する
など
消費税法の出題ポイントについては、国税庁のホームページで確認できます。
合格率・難易度
消費税法の直近5年の合格率は以下のとおりです。
平成30年度から令和4年度まで特に大きな変動はなく、毎年11%前後です。
| 年度 | 合格率 |
| 平成30年度 | 10.6% |
| 令和元年度 | 11.9% |
| 令和2年度 | 12.5% |
| 令和3年度 | 11.9% |
| 令和4年度 | 11.4% |
令和4年度の消費税法の合格率は、税理士試験の科目の中で最も低い結果となりました。
| 科目名 | 令和4年度の合格率 |
| 簿記論（必須） | 23.0% |
| 財務諸表論（必須） | 14.8% |
| 所得税法 | 14.1% |
| 法人税法 | 12.3% |
| 相続税法 | 14.2% |
| 消費税法 | 11.4% |
| 酒税法 | 13.2% |
| 国税徴収法 | 13.8% |
| 住民税 | 17.2% |
| 事業税 | 14.1% |
| 固定資産税 | 18.4% |
そんな消費税法の難易度は、受験者層だけを考慮すれば簿財よりも高くミニ税法と呼ばれるほど学習内容は少ないですが、低くありません。
理由は以下のとおりです。
- 税理士試験が相対評価試験である
- 簿財合格後に受験している層が多い
- 実務に直結するため人気があり競争率が高い
フルタイムで働いている、働く予定の方は、ミニ税法だと油断せずにじっくり一科目に集中して合格を目指しましょう。
勉強時間の目安
消費税法の合格までにかかる勉強時間の目安は、資格の学校TACにて350時間であると公表されています。
理論暗記にかかる時間には個人差があるため、350時間に含まれていません。
消費税法の勉強法｜働きながら短期合格するコツ
それでは、消費税法の勉強法について、働きながら短期合格するコツとあわせて解説します。
働きながら少しでも早く合格したい方は、参考にしてみてください。
税理士
（30代前半・東京都在住）
他の会計事務所で働きながら、
簿財合格の状態から消費税法に一度の受験で合格
資格取得後、弊所に転職
規則正しい生活と勉強に集中できる環境を準備
働きながら消費税法の科目合格を目指すなら、普段から集中力を高めた状態で勉強に取り組む必要があります。
ですので、まずは規則正しい生活と勉強に集中できる環境を準備しましょう。
- 睡眠時間を確保できるスケジュールを組む
- 勤務日は自宅で作業音をYouTubeで流して勉強する
- 勉強場所は作業音がする図書館などを選ぶ
暗記力や計算力は十分な睡眠時間を確保しないと低下してしまうと感じたため、繁忙期でも6時間は睡眠できるようにスケジュールを組みました。
そして、なるべく試験当日と同じ環境で勉強したいと考えて、勤務日は自宅で作業音を流しながら、休日は作業音がする図書館で勉強していました。
スケジュールを組む手順は、大雑把ですが以下のとおりです。
↓
②睡眠時間や食事、入浴時間などを埋める
↓
③空き時間に勉強を埋める
働きながら消費税法の科目合格を目指す場合、勉強に回せる時間は専念している方よりも少ないです。
ですので、まずは勉強に集中できる体調と環境を整えて、勉強の効率を上げましょう。
理論問題の対策
消費税法の理論問題は、資格の学校TACの理論マスターを使って対策しました。
試験当日はベタ書きできないと話にならないので、理論マスターを丸暗記しましょう。
消費税法の過去問を解き始めるとわかるのですが、理論問題では理論マスターで暗記した内容を書く問題が出題されています。
計算問題の対策
消費税法の計算問題の対策を行う際は、特に以下の点を意識して進めましょう。
- 総合問題で得点すべき問題を見分けられるようになる
- 答練や過去問で納税義務者の判定を徹底的に対策する
- 取引分類で間違えた箇所は問題文をノートにまとめておく
- 取引分類を覚えて計算力を上げる
税理士試験は傾斜配点で、正答率の高い問題ほど高得点に設定される傾向があります。
そして、消費税法は問題数が多いため、すべての問題を完璧に解く時間はありません。
ですので、総合問題で、得点すべき問題と触れない問題を見分けられるようになりましょう。
また、消費税法の計算では納税義務者の判定と取引分類が重要です。
消費税法の計算では納税義務者の判定でミスをすれば合格は難しいですし、取引分類の判断が遅ければ合格点に達するのは無理です。
逆に、どちらも鍛えれば計算力が上がって点数を稼げるようになります。
納税義務者の判定は答練や過去問で、取引分類は間違った箇所の問題文をノートにまとめて勉強しましょう。
仕事と勉強の両立は職場選びが重要
働きながら消費税法の科目合格を目指す方は、税理士試験に理解のある職場に就職しましょう。
他の記事でも繰り返し記載しているのですが、税理士試験に理解のない職場に就職してしまうと、
- 試験を受けさせてもらえない
- 試験よりも業務を優先させられる
- 試験前に有給を取得させてくれない
上記のような事態に陥りかねないからです。
そんな税理士試験に理解のない職場で働くとなれば、一生税理士資格を取得できない恐れがあります。
働きながら消費税法の科目合格を目指す方は勉強に回せる時間が少ないので、職場を選ぶ際は税理士試験に理解があるかどうかに注目しましょう。
税理士試験に理解がある職場を探す際は、
- 税理士資格の取得支援を行なっている
- 有給の試験前休暇の取得を認めてくれる
上記の2点を求人票やホームページ、面談などで確認してみてください。
特に、有給で試験前休暇を取得できるかどうかは重要です。
普段からきっちり勉強している方でも試験直前は精神的に余裕がなくなるものなので、試験と向き合って心身ともに準備する期間が必要です。
これから就職・転職先を探す方は、税理士試験に理解があり、有給の試験前休暇を取得できる職場を探しましょう。
消費税法に独学かつ働きながら合格するのは困難
消費税法のような税法科目の合格を、独学で目指すのはおすすめしません。
会計科目とは異なり、法律が変わってしまうからです。
税法科目の試験では改正された論点が出題される傾向があるため、古い問題集や動画などで勉強してしまうと、十分な点数を取れずに合格できない恐れがあります。
ですので、消費税法の勉強を進める際は、通信講座や予備校などを活用しましょう。
独学で消費税法に合格している方もいますが、働きながらであれば勉強に割ける時間が少ないので難しいです。
独学は通信講座や予備校を利用している方に比べると、受験勉強の効率が悪いです。
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