こんにちは、渋谷駅近の会計事務所で所長を務めている植村拓真です。
今回は、税理士試験の財務諸表論に働きながら合格したい方に向けて、勉強法を合格者である弊所スタッフTさんの体験談とあわせて紹介します。
会計税務スタッフ
(20代前半・東京都在住)
大学新卒で弊所に就職
就職時は業界未経験で日商簿記2級を取得済
弊所で働きながら財務諸表論に合格
本記事では、
- 財務諸表論の概要
- 難易度や勉強時間の目安
- 仕事と受験勉強を両立させるコツ
- 財務諸表論に独学かつ働きながら合格するのは困難な話
主に上記の内容について解説するので、働きながら少しでも早く財務諸表論に合格したい方は参考にしてみてください。
税理士試験の合格は通過点ですので、なるべく時間をかけずに税理士資格を取得して、少しでも早く実務経験を積み始めましょう。
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財務諸表論の概要と難易度や勉強時間の目安
まずは、財務諸表論の概要や難易度、勉強時間の目安について簡単に解説します。
本項目で解説する難易度や勉強時間はあくまで目安です。受験勉強に専念しても合格できない方はいますし、働きながら合格できる方もいます。
受験勉強の目標を設定するうえで参考にしてみてください。
試験科目の概要
財務諸表論は税理士試験における必須科目です。
税理士資格の取得を目指す受験生は、科目免除者でない限り全員合格する必要があります。
そもそも財務諸表とは、企業が外部に自社の経営成績や財産状況を報告するための書類のことです。
そして、財務諸表論では財務諸表の作成手順や理論について学びます。
令和4年度の税理士試験の出題範囲は、以下のとおりです。
- 会計原理
- 企業会計原則
- 企業会計の諸基準
- 会社法中計算等に関する規定
- 社計算規則(ただし、特定の事業を行う会社についての特例を除く)
- 財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則
- 連結財務諸表の用語・様式及び作成方法に関する規則
第一問と第二問は理論、第三問は計算で構成されており、理論50点(各25点)と計算50点の合計100点の配点で出題されます。
試験時間は120分です。
難易度
財務諸表論の合格率は以下のとおりです。以下の数値は国税庁のホームページより抜粋しています。
年度 | 受験者数 | 合格率 |
平成30年 | 8,817人 | 13.4% |
令和元年 | 9,268人 | 18.9% |
令和2年 | 8,568人 | 19.0% |
令和3年 | 9,198人 | 23.9% |
令和4年 | 10,118人 | 14.8% |
-
- 引用元
財務諸表論の合格率は平成30年度から令和3年度にかけて23.9%まで上がりましたが、令和4年度に14.8%まで大きく下がりました。
とはいえ、14.8%は他の科目の合格率よりも高いので、財務諸表論は受かりやすい科目だといえます。
財務諸表論は合格率が他の科目よりも高いうえに、令和5年度の税理士試験から受験資格の制限がなくなり誰でも受験できるようになります。
試験範囲の広さから難易度の高い科目だと感じますが、合格率が高くて初学者でも受験しやすいです。
勉強時間の目安
財務諸表論の合格までにかかる勉強時間の目安は、予備校や通信講座などでは360~450時間だと言われています。
受験生の学習方法や保有資格、働いているなら業務経験や職場環境によって異なります。
初学者で日商簿記1級を保有しておらず業務経験がない場合は、倍の1,000時間を目安にスケジュールを組みましょう。
財務諸表論は試験範囲の広さから学習範囲も広く、合格までに多くの時間がかかりがちです。
初学者かつ働きながら受験勉強を進める場合、450時間以上かかるケースもあります。
繰り返しになりますが、合格までにかかる勉強時間はあくまで目安なので、スケジュールを組むうえで参考にしてみてください。
働きながら財務諸表論の科目合格を目指す場合、合格までにかかる勉強時間は職場環境によって大きく変わります。
- 税理士試験に理解がない
- 有給の試験休暇を取得できない
- 閑散期なのに残業や休日出勤がある
- 飲み会などに付き合わされて休日が潰れる
- 所長や上司、お局様のご機嫌を取らなければならない
上記のような職場に就職してしまうと、税理士資格の取得が遅れたり、諦めなければならなくなったりする恐れがあります。
ですので、働きながら税理士資格の取得を目指す方は、税理士試験に理解がある職場を選びましょう。
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財務諸表論の勉強法|働きながら短期合格するコツ
それでは、財務諸表論の勉強法について解説します。
働きながら短期合格を目指している方は、参考にしてみてください。
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就職時は業界未経験で日商簿記2級を取得済
弊所で働きながら財務諸表論に合格
事前に日商簿記2級を取得しておく
財務諸表論の受験を検討している方は、事前に日商簿記2級を取得しておきましょう。
日商簿記2級の難易度は財務諸表論よりも低いですが、合格するために得た知識は財務諸表論でも使えます。
財務諸表論を受験する際のハードルを下げられるので、学習範囲が広くても挫折せずにスムーズに勉強を続けられます。
働きながら税理士試験の短期合格を目指すうえで、勉強の継続は重要です。
財務諸表論は学習範囲が広い科目なので、合格するためにはなおさら勉強を継続する必要があります。
日商簿記2級の取得は短期合格するうえで回り道に感じるかもしれませんが、スムーズに財務諸表論の受験勉強を始められますし継続しやすいです。
財務諸表論の受験にハードルの高さを感じている方は、まずは日商簿記2級を取得してみてください。
予備校を活用して効率良く仕事と両立する
後ほど改めて解説しますが、財務諸表論を受験するなら予備校を活用しましょう。
自分で一から受験対策を行う手間が省けるからです。
スケジュールを考えたり、専門知識を学んだり、過去問から試験の傾向を掴んだりなど、受験対策でやるべきことは多いです。
働きながら財務諸表論を受験する方は時間が限られているので、予備校を活用しながら受験対策を行なって効率良く受験勉強を進めましょう。
理論も計算も継続してバランス良く勉強する
理論編
財務諸表論の理論に毎日少しずつでも触れて、満遍なく勉強を進めましょう。
試験日が近づくと予備校などから出題予想が発表されますが、当たらないケースもあるからです。
そして、理論を暗記する際はただ文字を覚えるのではなく、書かれている内容を理解しながら勉強を進めてください。
なんとなく文字だけを暗記してしまうと記憶に定着しづらくて、試験当日までに忘れてしまう恐れがあります。
計算編
続いて計算ですが、理論と同じく毎日少しずつでも触れましょう。
計算力は計算しない日が続くほど落ちてしまうからです。
計算と理論の学習内容はどちらも財務諸表論のものですので、同時に進めても問題ありません。どちらも毎日バランス良く、満遍なく勉強しましょう。
計算の勉強法ですが、まずは予備校や市販の問題集で勉強してください。
いきなり過去問を触ろうとする方がいらっしゃいますが、慣れてくると無意識に捨て問を探そうとしてしまうので、最初は触らないようにしましょう。
理論編でも解説したとおり、財務諸表論はヤマを張らずに満遍なく勉強するべき科目です。
試験当日にどんな問題でも対応できるように、問題集でしっかり基礎を固めてから過去問を解き始めましょう。
有給の試験休暇がない職場からは転職する
働きながら財務諸表論の科目合格を目指すうえで、職場選びは重要です。
職場を選び間違えてしまうと、税理士試験よりも仕事を優先させられて
- 税理士試験を受けさせてもらえない
- 閑散期なのに残業が多い
- 試験前の有給取得の申請が通らない
- 土日祝日の出勤で受験勉強に時間を割けない
上記のような状況に陥ってしまう恐れがあります。
せっかく毎日コツコツと理論を暗記したり計算力を高めたりし続けたのに、就職先が仕事と勉強を両立させられる環境でなければ意味がありません。
これから職場を選ぶ方、すでに税理士試験に理解がない職場に就職している方は、税理士資格の取得支援を行なっている職場を探しましょう。
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財務諸表論に独学かつ働きながら合格するのは困難
独学でも財務諸表論に合格できますが、日商簿記2級以上を取得している、受験に専念している方でなければ難しいです。
繰り返しになりますが、予備校に通ったり通信講座を受けている方に比べると、受験勉強の効率が悪いです。
簿記論の記事でもお話ししましたが、お金に余裕があるならTAC、余裕がないなら5万円前後から利用できるスタディングですね
・税理士資格の取得支援を行なっている職場に就職して
・予備校や教材を活用して
効率良く税理士試験の短期合格を目指してみましょう!