企業法の勉強法・論文式編【科目別⑥】

こんにちは、現役公認会計士の植村拓真(うえむら たくま)です。

本記事では、企業法(論文)の勉強法についてお話しします。

企業法は問題は2問出題されます。すべて論述問題です。

 

目を引くような奇問が出題されたり、埋没問題が出題されたりすることは少ないです。典型的な事例問題や論点の問題が出題されます。

というわけで、きちんとした答案が書けるように準備しないとマズい訳です。

 

また、本番ではほとんど白紙の答案用紙が配られるので、それを埋めるのにはかなり時間がかかります。

試験時間いっぱいかけて答案を書き続けて、やっとすべて埋めることができる程度の分量です。

難易度としては、きちんと勉強していればそれほど高くはないのですが、企業法の勉強法については、他の試験科目違って少しコツが必要です。

それを今からお話していきます。

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企業法の論述は、他の試験科目の論述とは一味違う

企業法の勉強時も、他の科目と同じように論文式試験勉強の本質、

  • 覚える箇所のターゲッティング
  • ターゲッティングした箇所の効率的な暗記

が大事です。

覚える箇所のターゲッティング自体は、論文問題集、答練、過去問の分析をやっていけばそんなに難しい話ではありません。

 

そして、ターゲッティングした箇所について、その論点に関する深い理解「定義」「キーワード」の暗記をすればそれで良いのかというと、

実は、企業法の論文の勉強はこれだけでは足りないんです!

たしかに、他の科目の場合はターゲッティングした論点に関わる定義、キーワードを暗記してさえいれば本番でもそれらを記述して行けば何とかなってしまう側面があります。

 

しかし、企業法はただ覚えたことを書くだけでは高得点は見込めません

きちんとした「論証」が書ける必要があります。

提出する解答は、

  • 問題点
  • 根拠
  • 結論

これらの要素がきちんと組み合わさって、試験委員が納得できるような「論証」が成り立っていなければならないのです。何せ、法律科目の問題ですからね。

 

ただ、覚えていることを羅列しているだけで、きちんとした「論証」が書かれていない場合、その答案は大減点です。

せっかく大量の知識を暗記していっても、本番できちんとした論証を作成できる能力がなければ意味がないのです。

これは、非常にもったいないことなのです。知識はちゃんと覚えたのに、ちょっとした論証の作り方日本語の組み立て方を知らないだけで大幅に減点されてしまうからです。

 

一方、覚えている知識の量が不足していても、なんとか必要最低限の定義やキーワードを搾り出し、それらを使ってうまく論証を組み立てることが出来れば、本番では高得点が取れます。

というところで、企業法の論文の勉強に当たっては、「覚える箇所のターゲッティング」をした後、「ターゲッティングした箇所の効率的な暗記」をすることに加えて、論証の書き方を勉強する必要があります。

ここが企業法の勉強の最大のポイントになります。

「企業法論述マスター」をマスターせよ!

とはいえ、予備校ではその「論証」の書き方をきちんとは教えてくれません。企業法の得点を大きく左右する部分なのにです。

ですので、多くの受験生は「論証」の書き方が分からず、そもそも論証の書き方の勉強法すら分かりません。

そして、どうすれば良いかわからず、仕方なしに文問題集や答練などの解答から、膨大な量の論証例の丸暗記に走ります。

当然、凄まじい時間がかかり、学習の効率は全然良くありません。

 

しかも、こういう勉強法は本試験で暗記した問題と全く同じ問題が出たときは対応できますが、問題を少し変えられたとき、全く見たこともないような問題が出題されたときには「お手上げ」になる可能性が大きくなります。

そもそも、いくら膨大な量の論証例の丸暗記をしたところで、全ての問題に対応することは不可能です。だから結局、合格までに時間がかかります。

まさしく『センス』のない勉強法と言えるでしょう。しかし、この丸暗記の勉強法は多くの『センス』ない受験生がはまるワナになっています。

 

そもそも企業法は、根本的な「論証」の書き方、答案の構成方法を学ばなければ合格点に達することは難しいです。

とはいえ、予備校ではきちんとした「論証」の書き方を教えてくれないし、どこで学べば、どうやって学べばいいんでしょうか?

当然ながら、私はその解決策を知っています。私のとっておきの1冊を紹介します

 

この1冊の存在を知ることができただけでも、あなたはこのブログを訪れた価値があったと言えます。

それほどの良書、いや神書といってもいいでしょう。

本書では、先ほどお話した丸暗記の勉強(「暗記型学習」)を真っ向から否定し、論証の作り方を覚える「作成型学習」をすべきだと主張されています。

「作成型学習」ではもちろん、答案の材料となるテキストに書かれている知識を理解して暗記する必要はありますが、論証例を丸暗記する必要がないので暗記量が「暗記型学習」よりも圧倒的に少なくなります。

つまり、勉強にかかる時間も圧倒的に削減できるわけです。

 

また、「作成型学習」では「論証」の書き方、答案作成の技術を学ぶので、どんな形式の問題が出されても、テキストを勉強して覚えた知識を答案作成時にうまく活かすことができ、問題の形式に合わせて臨機応変に対応できるようになります。

ということは、問題の形式に合わせたうまい答案が書けるようになり、得点力もアップするということですね。

勉強にかかる時間が削減できる上に、得点力もアップするという素晴らしい勉強法です。まさしく『センス』ある、短期合格を目指す受験生のための勉強法ですね。

 

本当に、こういう情報を知っているか知っていないかで勝負というものは決まってしまうのです。

当然、センスのない受験生はこの本の存在に気付かずに、企業法の勉強に膨大な時間をかけてしまい他の科目の勉強が疎かになり受験戦争から敗走して行きます。

 

さて、本書では企業法の問題のタイプを、以下の6つに分類しています。

  1. 単純制度説明型問題
  2. 横断的制度説明型問題
  3. 比較型問題(比較のテーマ設定有り型)
  4. 比較型問題(比較のテーマ設定無し型)
  5. 論点型問題
  6. 事例型問題

企業法の問題はほぼこの6パターンに限られます。これは間違いありません。

本番でも、必ずこの6パターンのいずれかの形式の問題が出題されます。

 

そして本書では、この問題のパターン別に答案の組み立て方の解説「論証」の書き方の解説がなされています。

たとえば、単純制度説明型問題であれば、書くべき要素と順序は以下のようになります。

「制度の骨格となる部分」を書く!

定義や内容

趣旨

根拠(条文など)

要件

手続

効果

このように、問題のパターン別に「論証」の組み立て方・書き方が分かれば、あとはテキストで覚えた知識をうまく使って、本番でもその場で臨機応変に合格レベルの答案が書けるようになるということですね。

まさしく、この「論述マスター」は私の会計士試験短期合格に大きな貢献をしてくれた1冊です。これのおかげで企業法に勉強の多くの時間を割く必要がなくなったからです。

「論述マスター」で出題パターンをおさえて、「論証」の書き方をマスターして、テキストで必要最低限の知識を覚えれば、膨大な論証例を暗記せずとも十分に本番で個別の問題に対応できるようになります。

本番でも「何を書いたらいいんだろう・・・?」と悩むこともなくなります。

 

また「論述マスター」で書かれている内容をマスターするのにもそんなに時間はかかりません。

「論述マスター」自体が118ページとそれほどボリュームがなく、「論述マスター」で学習した「論証」の書き方も、普段の論文問題集や答練を解くときに同時並行で訓練できるからです。

さて、「論述マスター」では「作成型学習」の勉強の50%はこのような「論証」の書き方の勉強、答案作成技術の勉強だとしています。

 

そして、残りの50%は答案の材料となるテキストの知識を理解して暗記するということだと主張しています。

この理解と暗記については、私が繰り返し主張している論文式試験勉強の本質、

  • 覚える箇所のターゲッティング
  • ターゲッティングした箇所の効率的な暗記

の応用で対応できます。

ターゲッティングと効率的な暗記方法は、

をご参考に。

 

また、短答式試験の勉強のときはスルーしていた論点の箇所ですが、論文のときはこの箇所の勉強が必須です。

気合を入れて、覚えて行くようにしましょう。これで企業法の勉強は完璧です。そうですね、完成まで半月~1ヶ月程度といったところでしょうか。

 

そうそうちなみに、条文を引く訓練ですが、これも普段の論文問題集や答練を解く際に合わせて訓練すれば十分でしょう。

どこにどういう条文が書いてあるか大まかな把握ができさえすれば、わざわざそれだけに時間をかけて訓練する必要はありません。

あくまでも「『論証』の書き方の学習」および「知識の理解・暗記」が企業法の勉強のメインです。

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*注意:

本記事で紹介した「論述マスター」は少し古い書籍のため、今は入手が大変かもしれません。

入手できたとしても、お手元に届くまでは少し時間がかかってしまうかもです。

入手の手配はお早めに!(ネットで注文する、ヤフオクで落とす、先輩からもらうetc)

また、以下の記事で論文式試験に短期合格する勉強法を科目別にまとめていますので、こちらもご覧ください。

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