こんにちは、現役公認会計士の植村拓真(うえむら たくま)です。
あなたは日々の勉強できちんと復習できていますか?
正直、復習しないのは最低最悪の愚の骨頂です。
試験勉強では、
- 予備校の講義は出なくて良い(むしろ出ないほうが良い)
- 答練もスケジュール通りに受けなくていい
- テキストも不必要に読み込まなくて構わない
しかし、復習だけは絶対にサボらず、しっかりとやってください。
試験に落ちる受験生は、復習がしっかりできていません。一方、試験に短期合格するような受験生は、例外なく復習をしっかりこなしています。
正直、
- 問題集をメインに活用する
- 復習をきっちりやる
上記の2つができていれば、公認会計士試験を含めてどんな難関試験も余裕で合格できます。小手先のテクニックとか、試験のヤマ当てとか、そんなものは無駄です。
きちんと復習してさえいれば、くだらないものを気にする必要はありません。
試験勉強=復習
といっても過言ではありません。それぐらい復習とは大事なものなのです。そこで今回は、復習の重要性と効率的な復習のタイミングについてお話しします。
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なぜ復習が大事なのか
試しに、一つ実験をしてみましょう。
※ドイツの心理学者エビングハウスが百年以上も前に行った有名な実験です
次の3文字単語を覚えてください。
いるめ くとし かでさ たとは すとえ
おえね むたら かふわ けんよ みまそ
全く無意味な単語が10個並んでいますが、真剣に覚えてください。
覚えましたか?
では、しばらく経ってから、何も見ずにさっきの単語を紙に書き出してみてください。
ほとんど何も書けなかったのではないでしょうか。
そう、人間の脳はせっかく覚えたことでも、時間が経てば自然と忘れるようにできているのです。いつかは先ほどの単語10個、全部をすっかり忘れてしまうでしょう。
しかし、それは本当に脳から消え去ってしまったのでしょうか。そんなことはありません。
もう一度、全く同じ10個の単語を暗記しなおしてみてください。そして、先ほどと同じように紙に書き出してください。
1回目のときより、多くの単語を書き出すことができたのではないでしょうか。
さらにこれを繰り返してみましょう。2回目に覚えた単語を再び忘れた後で、さらにもう一度、同じ単語の暗記を行ってみてください。
3回目はもっと多くの単語を覚えていられることが分かると思います。
つまり、記憶は繰り返すと、より強い記憶となって自分の脳に残るのです。
なぜだと思いますか?最初紙に書き出したときには、ほとんど何も書けなかったのだから、覚えようとしていた単語はあなたの脳からすっかり消えてなくなってしまったのではないでしょうか。
実は、それらの単語はただ思い出せなくなっていただけで、ちゃんとあなたの脳の中には残っていたのです。
あなたはすっかり忘れてしまったかのように感じただけかもしれませんが、実際にはあなたの無意識の世界にしっかりと保存されているのです。
ただ、それが潜在的な記憶に過ぎなかったため、思い出せなかっただけです。
しかし、学習を繰り返した場合には、この無意識の記憶があなたの気がつかないうちに暗記を助けて試験の成績を上昇させるのです。
ですので、学習を繰り返すと、まるで記憶力がアップしたかのように感じるのです。
つまり、試験勉強においては何度も繰り返すこと、すなわち復習が非常に重要だということが分かりますね。復習するからこそ、覚えたことを忘れにくくなり、試験本番でも、普段から勉強していたことをアウトプットできるのです。
最も効率的な復習のタイミング
さて、それでは復習のタイミングは、いつが最も効率的なのでしょうか。
復習は、1ヶ月以上の間隔をあけてしまうとほとんど効果がありません。つまり、潜在的な記憶の保存期間は1ヶ月です。1ヶ月経つと、脳から潜在的な記憶が消え去っていくわけです。
あなたも1ヶ月前の晩ごはんで何を食べたかなんて、キレイさっぱり忘れてしまっているでしょう?それと同じことです。ということで、復習は最低でも1ヶ月以内にする必要があります。
(※1ヶ月を超えると忘れてしまうのは、脳の記憶をつかさどる海馬の性質によるものです。これは脳科学的な話に繋がってくるのですが、話を簡単にするためここでは詳細は省きます)
海馬の性質を考えると、もっとも効果的な復習のプランは
- 学習した翌日に1回目
- その1週間後に2回目
- 2回目の復習から3週間後に3回目
- 3回目の復習から1ヵ月後に4回目
と言われています。
全部で4回の復習を少しずつ間隔をあけながら、3ヶ月かけて行うことです。これ以上の復習をする必要はありません。時間の無駄です。
とはいいつつも、ここまで細かいプランで復習をする必要はありません。逆に、細かい復習のプランを組み立てることに時間がかかってしまうようなら、それこそ本末転倒です。
私も「いつこの問題を復習するか?」とか、そこまで考えていませんでしたし、ここまで細かく復習のプランを立ててはいませんでした。
ただ、復習するのが遅れれば遅れるほど復習の効果が低くなってしまうので、一度学習した論点については、なるべく早めに復習するようにしていました。
復習するときの注意点
なお、ここで注意してほしいのが、学習した当日に復習してはいけないということです。
つまり、復習するまでに1回は睡眠を挟んでほしいんですね。
脳は睡眠中に情報をさまざまな形で組み合わせ、その整合性をテストして過去の記憶を整理しています。そして、整理された潜在的な記憶を呼び起こす訓練をすることこそが復習なのです。
だから、睡眠を挟まず当日復習をするのは、脳に情報を整理し選択する猶予を与えないということになるんです。
というわけで、当日の復習はほとんど意味を成しません。
ウソだと思ったら、一度やってみてください。当日に復習をした論点に関する問題を、数日後に解いてみてください。
多分、全然解けないでしょうし、知識が全然頭の中に入っていない感覚がすると思います。
きちんとした睡眠を取らず整理できないような情報は、脳から即座に廃棄されてしまうのです。このことは頭に入れておいてください。
さて、復習のタイミングについて、今までお話してきたことをまとめておきましょう。
新しく学習した知識については、なるべく早めに何回も復習する!
しかし、復習のタイミングが早すぎてもいけない!
試験勉強を進めていくうえでも、ぜひこれは覚えておいてください。