公認会計士試験の過去問は解くのではなく読む!短期合格者が使い方を解説

こんにちは、現役公認会計士の植村拓真(うえむら たくま)です。

本記事では、公認会計士試験における過去問の活用法について解説します。

 

私は大学在学中に実質一年で公認会計士試験をパスしているので、本記事の内容は参考になるかと思います。

公認会計士試験の過去問を解くうえで、参考にしてみてください。

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公認会計士試験の過去問は決して解いてはいけない

いきなりですが、公認会計士試験の試験科目って多くないですか?

短答式試験は以下の4つです。

  • 財務会計論
  • 管理会計論
  • 企業法
  • 監査論

 

そして、論文式試験に至っては、

  • 会計学(実質、財務会計論と管理会計論の2科目)
  • 監査論
  • 企業法
  • 租税法
  • 選択科目

の5つ(実質6つ)もあります。

これだけの科目があるため、過去問を解いていこうとしたところで、1年分解くだけでも2~3日もかかってしまいます。

当然ながら、短期合格を目指すのであれば、過去問を解くためだけに時間をかけている余裕はありません

 

また、過去問を解いても実力は上がりません。過去問は過去に出題された問題、つまり今後二度と出題されない問題の集合体だからです。

問題を完璧に解けるようになっても、本試験での得点アップに繋がりません。しかも、過去問は実践的で難しい問題ばかりなので、問題を解いたり解説を理解したりするには時間がかかります。

 

時間をかけても実力アップにつながらないなんて、無駄でしかありません。私も、過去問を解くことが実力アップにつながると信じて、一生懸命に時間をかけていた時期がありました。

それが、大学受験のセンター試験のときです。あの頃はひたすらセンター試験の過去問を解き続けて、全科目で7年分くらい解いていたと思います。

で、結果は惨敗でした。志望校への合格率が絶望的になるくらいの得点しか、獲得できなかったのです。

 

結果、第一志望の国立大学への受験に失敗して、涙を流し、滑り止めの私立大学へ入学しました。

第一志望に合格したいなら、いたずらに過去問を解くのに時間をかけてはいけなかったのです。

過去問を解く時間があったら、参考書や問題集を復習する時間にあててもっと基礎を固めるべきでした。

 

過去問を解いたところで、インプット・アウトプット力は上げられません。せいぜい、本番での時間配分の感覚を掴めるくらいでしょう。

そして、本番での時間配分の感覚は、模試や答練で十分掴めます。つまり、私がやっていたことは時間の無駄だったというわけです。

書いてて涙が出そうなりましたが、事実だから仕方がありません。

 

しかし、苦い経験を活かして、公認会計士試験の勉強では過去問に手をつけることは一切しませんでした

結果、大学在学中に公認会計士試験に短期合格できました。私が今、公認会計士として仕事をしていること自体が判断の正しさを証明しています。

 

もちろん、あなたにもセンター試験の受験時代の私と同じ思いをしてほしくありません

ですので、過去問は決して解きにいってはいけない、これだけは忘れないでください。

公認会計士試験の過去問は短期合格の必須アイテム

とはいえ、過去問は、公認会計士試験に短期合格するうえで必須のアイテムです。

絶対に解いてはいけないのが事実なんですが、分析しておく必要があります。つまり、過去問を読む作業が重要です。

 

過去問を読んで分析することで、試験合格までにどの範囲を勉強すれば良いのか最短努力で合格する方法を見つけられます

いわば、合格への最短ルートを示す地図ですね。とりわけ、論文式試験の勉強においては大きな指針となる存在です。

一方、短答式試験のときは、それほど重要ではないのです。

 

続いては、短答式と論文式に分けて、過去問の活用法についてお話ししていきます。

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短答式の過去問活用法

私は、短答のときはほとんど過去問に触れていませんでした。触るだけの時間的な余裕がなかったと言った方が正確です。

勉強で煮詰まったときに、気分転換程度に過去問をチラ見して、出題形式や出題されている問題のレベルなどを確認する程度でした。

 

私は短答一ヶ月前の直前答練のときに成績がボロボロで、なかなか精神的に苦しい思いをしたのですが、よくよく過去問を見てみると基本的な問題ばかりであると気づけました。

あとから判明したのですが、予備校の答練って本番よりも難しく作ってあるのです。

答練の問題を少し難しく作っておくことで、受験生に本番の問題を難しく感じさせないようにしたいといった予備校の狙いがあります。

 

そのおかげで、答練が全然解けなかったとしても、テキストや問題集で基礎的な知識をきちんと覚えて行けば本試験でも大丈夫だなと、確信を持てました。

紹介できる短答式の過去問の活用方法は以上です。基礎を固めるだけで本試験の問題をは解ける確信を持つために使用したくらいですね。

問題もざっと眺めた程度で、模範解答や解説すらまともに読んでいません。

 

それで本試験で8割前後の得点を獲得できたので、いかに過去問を解くことが馬鹿らしいかを身を持って証明してしまいました。

というわけで、短答式の過去問の活用方法としては、出題形式の確認と出題レベルの確認程度で十分です。

論文式の過去問活用法

論文のときには、過去問の活用は一つの大きなポイントです。

そう、論文式試験の勉強法のときにお話した、覚えるべき箇所のターゲッティングに使用するんでしたね。

 

過去問の分析を行うと、以下の4つのことができるようになります。

  • 出題範囲を知る
  • 出題方式を知る
  • 出題レベルを知る
  • 合格レベルを知る

本項目では、上記について詳しくお話ししていきます。

出題範囲を知ることができる

短答式試験では、幅広い知識を満遍なく押さえておく必要がありました。代わりに、知識と理解の深さは浅くても正答できるような問題が中心に出題されます。

一方、論文式試験では、一定の論点についての深い知識・理解が求められます。しかし、短答式試験とは異なり、範囲は非常に狭いです。

  • 広く浅くの短答式試験
  • 狭く深くの論文式試験

というわけですね。

 

出題範囲は、公認会計士・監査審査会のHPからも出題の要旨として確認できます。論文での出題範囲が短答よりも少なくなっていると分かりますね。

この出題の要旨と過去問を分析して、覚えなければならない箇所の大枠をきちんと掴んでおきましょう。

出題方式を知ることができる

出題範囲が分かったら、次はその範囲の論点がどのような方式で出題されているかを研究しましょう。

出題方式の見た目は毎年変わりますが、出題パターンを抽象化すれば、いくつかのパターンに分類できると分かります。

 

過去問を分析するときは、ぜひ出題方式を抽象化して見るようにしましょう。

  • 定義をそのまま答えるだけの問題か
  • 論点と結論、理由を合わせて答える問題か
  • テキストに書いてある知識を応用して答える問題か
  • ある制度の趣旨を特定の事例に適用して考えさせる問題か
  • 具体例をあげさせる問題か
  • 穴埋め問題か
  • 正誤を判断させて理由も書かせる問題か

過去問を分析して、上記の出題パターンを抽象化できれば、テキストのどの箇所をどのように覚えるべきかが見えてきます

出題レベルを知ることができる

続いては、出題される問題のレベルです。一見すると過去問はどの問題も非常に難しいように見えますが、よく読めば簡単に解答できる問題も多いと分かります。

そして、

なんだ、テキストの基礎知識を覚えれば十分対応できるんだ!

と悟ります。

 

答練では難しい問題が出題されるので、どうしても難しい論点、テクニカルな論点を覚えて行こうとしがちですが、本試験で難しい論点を解ける必要はありません

基礎的な知識を理解しつつ暗記して、本試験で誰もが正答できるような問題を落とさないレベルまで勉強すれば、十分合格レベルに達します。

 

難しい問題、意味不明な悪問も稀に出題されますが、非常に数が少ないと分かります。また、埋没問題であるため、本試験では解ける必要がありません。

合格レベルを知ることができる

最後に合格レベルです。今まで分析してきた問題の模範解答を見てください

多分、完璧な解答文が羅列されていますよね。

こんなの書けるわけがないと思う方もいるでしょう。そのとおりで、書けるわけがありませんし書く必要もありません

 

ただ、過去問の解説には以下のように、

  • この問題は5割得点しておきたい
  • この問題は3割の得点で良い

問題ごとの得点の目安が記載されています。これを一つの参考にしましょう。

つまり、合格するためには模範解答のような完璧な文章は不要で、模範解答の5割程度の質の答案が書ければ十分合格点に達するのです。

場合によっては、2~3割程度で済む問題もあるでしょう。

 

学者になるわけではないのですから、うまい答案を書けるようになる必要はありません。いかに外さない答案をかけるようになるかが重要なんです。

なお、模範解答の分析を行ううえで掴んでおいてほしいのが、試験問題に対して模範解答ではどういう論点を書いているのかです。

書かなければならない論点を模範解答から読み取れれば、覚える箇所のターゲッティングも容易に行えます。

 

それから、問題の答え方も掴んでおくべきです。模範解答でどういった答え方をしているのかを確認しておきましょう。

たとえば、こういう聞かれ方をした場合は、こういう答え方で良いというように。

問題に対する答え方が分かれば、答え方に応じてテキストで覚えなければならない箇所も自ずと把握できるようになります。

以上が、論文式試験の勉強時の過去問活用方法でした。

まとめ

そうそう、過去問の過去の出題傾向を見て、今回の試験で出題されそうな問題をヤマ当てしにいくのはNGです。

試験の出題範囲をヤマ当てしにいくなんて、ギャンブルをするようなものです。あなたは貴重な勉強時間を、くだらないギャンブルに投じてはいけません。

やるべきことは、きちんとやりましょう!

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