こんにちは、現役公認会計士の植村拓真(うえむら たくま)です。
公認会計士試験の合格率はわずか10%程度です。つまり、受験生の上位1割の人たちだけが合格して残りの9割が不合格になります。1クラスに40人いるとすると、4人しか合格できないほどの確率です。
さらに、上位1割に入り無事に合格できた人たちでも、ほとんどの人が合格までに長い時間をかけています。
そんな人たちは、
- 勉強だけに長い年月を費やし
- 試験に何度も不合格になって涙を流し
- その悔しさを乗り越え
ようやく合格しています。合格まで1日10時間以上の勉強を3年以上続けていたなんて話も珍しくありません。公認会計士試験に一発合格できる人なんて、本当に稀です。
そんな中、私は無事に在学中に5月短答合格・8月論文合格を果たし、公認会計士試験に一発合格できました。そして、バイトやサークルなどで勉強していなかった時期を踏まえると、試験勉強だけに集中していた期間は実質的に1年ほどでした。
私が個別で公認会計士試験の勉強法を教えている受験生からは、
「勉強だけに集中した期間が実質1年程度で在学中に一発合格した人なんて、すべての受験生の1%もいないのでは?」
「受験生の上位1%よりも、さらに上をいく」
と言ってもらったこともあります。そう考えると、確かに私は普通の受験生ではありませんでした。
自慢っぽく聞こえてしまっていたら恐縮ですが、決して自慢をしたかったわけではありません。公認会計士になった今の私が、試験勉強ができることを自慢しても何の意味もありませんからね。
そうではなくて、公認会計士試験の合格を目指すあなたにとって、私が持つ公認会計士試験に関する情報がどれだけ役に立つかを分かってほしかったので、お話させていただきました。
あなたも、短期間の勉強で公認会計士試験の合格を目指しているのなら、最後まで目を通してみてください。
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公認会計士試験の間違った勉強法やめれば短期合格できる
在学中に公認会計士試験に一発合格した私は、当然、公認会計士試験の勉強法についてもうまいやり方を知っていました。それはこのブログでも一部公開しているとおりです。
ただ、短期合格を目指すのであれば、うまい勉強のやり方を知るよりも先に間違った勉強法について知りましょう。試験に落ちる人や合格するまでに3年以上もかかってしまうような人は、確実に勉強法を間違えています。
間違った勉強法を実践していると、勉強にどれだけ長い時間をかけても、
- テキストの内容をいつまでも理解できなかったり
- 同じ問題を何度も間違えてしまったり
上記のように何もうまくいきません。まさにぬかにくぎのような状態に陥ってしまいます。勉強に大量の時間や労力をかけているにもかかわらずです。
冒頭でお話したとおり、公認会計士試験に合格できる人は上位1割だけで、残りの9割が不合格となります。そして、彼らが不合格になってしまう理由は、彼らが間違った勉強法をしているからに他なりません。
というわけで、不合格者になってしまう人の典型的な間違った勉強法についてお話します。あなたもこれからお話しするような勉強法を実践してしまっていたら赤信号です!
公認会計士試験の間違った5つの勉強法
本項目では、公認会計士試験の不合格者がついやりがちな間違った勉強法について解説します。
今回解説する内容は、以下のとおりです。
- ノートを取る=勉強ではない!
- 授業を聞いただけでは意味がない!
- 復習しないなら時間の無駄!
- さまざまな教材に手を出すのは愚行!
- 休みの日に遊ぶのは甘え!
少々厳しい内容ですが、上記の勉強法を実践していると合格できません。
今まで数百人と受験生を個別指導してきましたが、間違った勉強法を実践して合格できた方は元から天才でした。普通は合格できないか合格が遅れて当然なので、今すぐ勉強法を見直してみましょう。
①ノートを取る
私たちが受けてきた日本の学校教育では、先生が板書した内容をノートに書き写すように指導されます。定期試験の頃には、先生からノートを提出するように言われますよね。ノートを確認して、生徒が授業を聞いているかどうかを判断するのでしょう。
このイケてない学校教育のせいで、ノートを取ること=勉強だと勘違いしてしまっている人がたくさんいます。残念なことに、有名国立大学出身の人でさえ、公認会計士試験の勉強で丁寧に時間をかけてノートを作っている人がいました。
ハッキリ言いますが、ノートを取るのは時間のムダです。ただの写経でしかありません。後ほどノートを見返す人もいますが、手書きのノートなんかよりキレイにまとまったテキストのほうが見やすいです。
私はノートを取る意味が分かりません。インプットの方法として一番早いのは、テキストを何度も読み込むことです。テキストを読むだけでも、膨大な試験範囲をカバーするためにかなりの時間がかかります。
呑気にシコシコとノートを作っている暇なんてないです。無駄に時間を使って丁寧にノート作る暇があったら、テキストを何回も読んでください。予備校の講師や合格者のブログでノートの作成を勧めていますが、合格までにかかった時間を聞いてみてください。
おそらく、一発合格できていないでしょうし、3~4年の長い時間がかかっていると思います。公認会計士試験に短期間の勉強で一発合格するためには、ノートを作るなんてムダなことに時間を使っている暇はありません。
ノートを作る勉強のムダさについては、以下の記事で詳しく解説しています。
②授業を聞いただけで勉強した気になる
正直、授業形式はインプットの方法としてイマイチです。
授業のクオリティは教師の教え方に左右されますし、下手な教師に当たったら最悪です。学習ペースも教師や学校によって決められていて、自分の好きなペースで進められません。しかも、教師によってはどうでもいい世間話をする人もいます。
平均的な生徒や落ちこぼれ生徒の理解度に合わせた、レベルの低い授業が展開されるケースもあります。これには時間のムダが多いです。このような理由から、あなたの学習ペースや理解度に応じた最適な授業は展開されません。
本来であれば、あなたは自身に合った教材とペースで、スケジュールを組み立てながら勉強を進めるのが一番効率的です。にもかかわらず、日本の学校教育は何が何でも授業を聞く勉強を強制します。
そして、それが正しい勉強法であると生徒に理解させて、授業を聞かない生徒は不真面目扱いします。そのせいで、授業を聞くことが大切といった誤解がまかり通ってしまっているのです。
資格試験の予備校でも、カリキュラムに基づいた講義が展開されているため、とりあえず講義に出る受験生がたくさんいます。しかしながら講義に出ただけでは、合格に必要な能力、つまりアウトプット力は身に付きません。だから、講義に出るか出ないかは合否に大した影響を与えません。
上記の内容を踏まえたうえで、私は予備校の講義に出ませんでした。代わりに予備校ホームページから講義音声をダウンロードして、講義を2倍速で聞きながらある程度まとめて一気に聞いていました。
③復習しない
問題を解きっぱなし答練も解きっぱなし、これは究極の時間のムダです。人間の記憶力なんて大したことありません。間違えた問題は、解説を読んで理解したつもりでも、後日改めて解き直さないと再度間違えかねません。
もし復習しないのであれば、問題なんて解かないほうがマシです。中途半端になるくらいなら、最初から問題を解かない方が時間を節約できます。解説すら読んでいないのは論外です。
復習の重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。
④無闇に教材に手を出す
私が受験生だった頃、さまざまな予備校や教材に詳しい人がいました。その方は3年くらい公認会計士試験の勉強を続けていたそうです。
「予備校Aは○○のテキストが良いけど××の問題集がダメ」
とか
「△△が最高なのは予備校B、予備校Cは□□が良い」
とか色々のたまっていました。間違った勉強法だとしか思えませんでした。教材は同じものを何度もやりこむからこそ力になるのです。
本当の意味で知識を身に付けて使っていけるようにするには、何度も繰り返して同じ教材を勉強する必要があります。新しい知識をゼロから身に付けるには、それくらい努力しないといけません。
一つの予備校の教材だけでも膨大な量があり、完璧にマスターするには膨大な時間がかかります。そのことが本当の意味で分かっていれば、さまざまな予備校の教材に手を広げるのは愚行であるとわかるはずです。
予備校をとっかえひっかえしている方は、大した努力をしていないのに合格できない理由を予備校のせいにする人です。
「自分にはあの予備校は合わなかった」と思っている方もいるでしょう。しかし、予備校の講義や教材のクオリティには、合否に影響するほどの差はありません。言い訳はやめて、自分の勉強法を改善するほうがよっぽど生産的です。
心配しなくても、大手の予備校であれば教材だけをマスターすれば十分合格できます。
⑤継続しない
継続は力なりとは本当にそのとおりです。公認会計士試験のような最難関国家資格試験には、小手先のテクニックや付け焼刃の勉強では歯が立ちません。結局最後には、継続して努力を続けた人間が勝ちます。毎日10時間以上の勉強は普通です。
週に1日は休みたい、土日は友達と遊びに行きたいといった考えは甘いです!短期間で合格できる受験生は、毎日しっかり勉強を継続しています。
私も受験生時代は、バイトしたり大学のサークルに行ったりで、勉強できていない時期もありました。しかし、それでも試験直前は1日も休まずに、毎日10時間以上は勉強していました。1日休んでしまったら10時間以上の勉強時間をロスしてしまうわけです。
特に、直前期には計り知れない損失です。同時に、他の毎日勉強している多くのライバルから、どんどん差をつけられてしまいます。
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公認会計士試験に短期合格するための勉強法
本ブログでは、公認会計士試験に短期合格するための正しい勉強法を紹介しています。
公認会計士試験の全9科目の勉強法について、短期合格するためのコツとあわせて解説します。
- バイトやサークルで忙しい学生
- 残業や飲み会で勉強時間を確保できないサラリーマン
- 次でバシッと合格を決めたい受験専念中の方
そんな方は、以下のページで科目別にしっかり学んでみてください。
<科目別勉強法①>財務会計論の勉強法-短答編-
<科目別勉強法②>管理会計論の勉強法-短答編-
<科目別勉強法③>企業法の勉強法-短答編-
<科目別勉強法④>監査論の勉強法-短答編-
<科目別勉強法⑤>会計学の勉強法-論文編-
<科目別勉強法⑥>企業法の勉強法-論文編-
<科目別勉強法⑦>監査論の勉強法-論文編-
<科目別勉強法⑧>租税法の勉強法
<科目別勉強法⑨>経営学の勉強法
公認会計士試験の短答式に短期合格する勉強法まとめ
公認会計士試験の論文に3ヶ月で合格した勉強法を公開
公認会計士試験に合格するまでにかかる勉強時間
個別指導している生徒さんから
とよく質問されていたので、ここでもお答えしておきます。
さまざまな個人ブログでも紹介されていますが、答えはおよそ4,000時間です。計算が得意だったり書くのが早い方であれば、3,000時間ほどで合格レベルに達します。
一般的に、公認会計士試験に合格するには2年間(730日)かかると言われています。毎日勉強すると想定した場合、1日5.4時間かければ4,000時間に到達します。
とはいえ、2年間万全な状態で受験勉強を継続できるわけがありません。受験勉強の時間をなかなか確保できない方は、4,000時間をこなすのに3~4年かかるのを覚悟しておきましょう。
上記のとおり、公認会計士試験の合格までにかかる勉強時間は、受験生の勉強する環境次第です。
大学生ならバイトやサークル、社会人なら残業や飲み会などの影響で、合格までに3年以上かかってしまう方もいるでしょう。
そんな方は、まずは本記事で解説している正しい勉強法を実践してみてください。このまま間違った勉強法を実践するよりも、圧倒的に合格までに時間を短縮できます。
公認会計士試験の合格までにかかる勉強時間については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。勉強スケジュールを組み立てるうえで、参考にしてみてください。
まとめ:間違った勉強法を避ければ合格率が上がる
以上が公認会計士試験の典型的な間違った勉強法です。残念なことに、合格できない受験生の大半が、今回紹介した勉強法のどれかを実践してしまっています。そして、受験生の下位90%の人間として試験に落ちています。
しかし、あなたは今、本記事を読んだので公認会計士試験を突破した上位10%以上の受験生の思考を学びました。下位90%の人たちが実践してしまっている、残念な勉強法・思考法から抜け出せたのです。
それだけで、あなたが次の公認会計士試験に合格できる確率は、2倍以上にアップしたはずです。
もう怖いものはありません。あとは努力あるのみです。試験勉強には、つらいこともたくさんあります。しかし、そのつらいことを乗り越えられるからこそ、合格という勝利を手にすることができるのです。頑張っていきましょう!